久高島観光(3)

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メインストリートに出て、そのまま北上すると、学校がある。小中が同じ敷地にあるらしい。そこを通り過ぎるとT字路に出るので、左折する。その先が集落だ。朝ペットボトルのお茶を買った商店の前を通り、石畳の上を歩きながら、途中で子供に絡まれる。「なにやってんの?」と尋ねるので、「歩いてる」と答える。虫取り網をもった子が「蝉取るの手伝って」と言ってくるので、「残念ながら虫は苦手だ」と言って辞退する。
石畳の道以外は、普通の舗装路だ。集落を突っ切って海沿いに出ると、綺麗に整備された漁港が現れた。坂道を下って港に入り、岸壁から海を覗き込むと、小さな魚が小集団を作って泳いでいた。
道に戻って南を目指すと、キャンプ場や公園があり、そこを通り過ぎて再び船待合所に戻る。
沖縄そばを食べた食堂を通り過ぎ、今度は東側を目指す。東側には食堂や民宿が点在しており、こちら側では観光客と行き違う。会釈と笑顔を交換しながら彼らとすれ違いながら、ぴざ浜に行き、しばし潮風に当たってから再び町に戻る。
ここですでに2時過ぎだった。
待合所に行き、帰りの船の出港時間を確認する。船は3時と5時に出るらしい。
どちらに乗ろうか一瞬悩んだが、とりあえず行ける所はすべて行ったし、後で欲求不満になったらまた来ればいいと思ったので、3時の船に乗ることにした。この船はニューくだかなので、料金所で差額を支払う。
船が出るまで40分ほどあるので、再び「食事処とくじん」に入った。
注文をする前にカフェテラスを除くと、幸い誰もいなかった。カウンターでアイスコーヒーを注文し、カフェテラスに座る。目の前は海だ。その向こうに本島南部が見える。
知念村には「斎場御嶽(せいふぁうたき)」があり、その最奥にある三庫理(さんぐーい)から、久高島が見える。ということはここから斎場御嶽もみえるかと思って目を凝らしてみたが、さすがに森の中にある斎場御嶽は見つけることができなかった。しかし、なんとなくは分かる。「あぁ、あそこだろうなぁ」というのは、斎場御嶽から見た久高島の角度から、大体の検討はついた、ということにして、自分を納得させてみる。
しかしまぁ、自分が一番好きな沖縄の小島で、海を見ながら潮風を受けつつ、アイスコーヒーなどを飲んでいるなど、至福といわずしてなんといおう。
そんな自然と顔がニヤけてしまう自分に浸っている頃、携帯電話がなった。
電話の相手は本土に住む私の友人からで、要件自体はたいしたことはなかったが、「今なにやってんの?」という友人の問いから、私の自慢が始まった。
「今日は暇だったんで、離島に来てみた」
暇つぶしで沖縄の離島に来る贅沢。私はそれを淡々と語った。友人は幾分電話したことを後悔したように「ハイハイ」と聞いていたが、私の沖縄好きを知っているので「よかったな」とは言ってくれた。


船待合所から見下ろした徳仁港電話を切った頃がちょうど3時15分前で、私は残りのアイスコーヒーを飲み干し、徳仁港へ向かった。
高速船は一階建ての客室オンリーだ。オープンテラスではなく、ちゃんと室内に客席があった。
私は窓側に座って出航を待った。
帰りも同じように人が多い。行きの船では見なかった顔もあるので、きっと民宿に泊まっていた観光客たちだろう。
そういえば、伊敷浜から見る日の出は格別だと、何かのサイトに書いてあった。
久高島の民宿には素泊まり3、000円のところがあるらしいので、今度は泊りがけで来よう。
動き出した船の中で、私はそんなことを考えた。
船の喫水が深いのか、元々そういう位置に客室があるのか、とにかく窓の直下に水面がある。まるでカヌーにでも乗っているようだ。
船に揺られてちょっとだけ眠くなったが、目を閉じる前に安座真港についてしまった。
満足しきった観光客と共に、私も船から降りる。
港に立って海を振り返ると、さっきまでいた久高島が、朝見たときと同じように平べったく浮かんでいた。

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