伊江島(1)

ゴールデン・ウィークも残すところ後三日という頃、伊江島行きを決意する。理由は天気予報。降水確率は「0」が並び、気温も上々。もちろん日中を通してずっと晴れだ。
伊江島旅行は、他の場所によらず伊江島だけが目的であれば、那覇からでも十分日帰りで行ける。本部から出ているフェリーに乗れば、30分ほどで伊江島に着く。もちろん車やバイクを一緒に連れて行くこともできる。ただし、車両を運搬する場合は、事前に予約しておいた方がいいようだ。予約がないと、車両が多い場合は望みの便に乗れないこともある。那覇からチャーター便が出ているようだが、こちらは予約が必要な上、チャーターだから運賃が高いため、一般人が観光目的で乗るようなものではない。なにより、どうせ離島に行くのであれば、丸一日をフルに使って、のんびりゆったり行けばいいのだ。


私は朝6時に家を出て、100ccのスクーターを走らせた。このクラスのバイクは高速に乗れないので、ひたすら一般道を北上する。名護についたのが7時半頃。A&Wで簡単に朝食を取り、名護湾を迂回する形で本部港を目指す。
ところが、本部港について驚いた。なんとすでに人だかりができていた。
みんな早起きして集まったのだろう。チケット売り場にも行列が出来ていた。
本部発の往復チケットで1330円。帰りの船はどの時間に乗ってもOKということだ。僕は車両運搬の予約を知らず、そのまま来てしまったのだが、バイクはまだ乗れるということで難を逃れた。もし車で来ていれば、午前中の伊江島上陸は難しかったかもしれない。いや、確認したわけではないが。
とりあえずホッとしながらバイクの運賃を支払う。バイク(100cc)の運賃が往復で1960円加算され、人間の分も合わせて正味3290円。本土から離島を目指すことに比べれば安いものだ。

この時期はゆり祭りやゴールデンウェークということで、便数も通常よりは増やしているらしい。
本部の始発は午前9時だった。早朝に出発したので楽勝で間に合った。帰りは那覇までの道のりが混むことを予想し、少し早めの3時頃伊江島を離れる予定にする。しかし、往復チケットを買ったからといって、帰りの船の時間まで決められているわけではないので、そこはフレキシブルに予定を組み替えることも可能だ。伊江島観光の時間が思ったより足らなければ、船の時間を遅らせばいい。


チケットを買ってから、20分ほど待って乗船時間を迎えた。

 

船内に固定される私のバイク

本部港をゆっくりと離れ、瀬底島に続く橋の下をくぐり、水納島を左手に見ながら、青い海の上を進んでいく。途中で伊江島発のフェリーとすれ違う。どうやらこの時期の伊江島航路は、二隻で運用しているようだ。

 


瀬底大橋


水納島


伊江島の姿が見えてくると、一番最初に目が行くのが「タッチュー」と呼ばれている城山(ぐすくやま)だ。平坦な島に唯一突き出している岩山で、本島からでもすぐにわかるほど、伊江島のシンボル的存在になっている。昔はこの独特な形が、船の目印になっていたらしい。もちろん、昼間の話だが。


たっちゅー


波も穏やかで快適な船旅を30分ほど堪能し、伊江港に到着した。近代的なコンクリートの建物で作られた伊江港のターミナルに降り立ち、まずは目の前に立っている大きな伊江島の地図を拝見する。


伊江島港のターミナル


ターミナルにある伊江島全島地図

今回はバイクを持ち込んだが、島にはレンタサイクルがあるので、それを利用するのもいいだろう。自転車の他に、レンタカーやレンタルバイクもある。また、交通機関としてはバス、タクシーもあるが、日帰りであればタクシーを一日借り切って島を回るのもいいかもしれない。その場合は、事前に料金を確認した上で予約を入れておくほうがよいだろう。
主要なレンタサイクル店は、ターミナルの道を挟んで向かい側にある。
ただし、これは島を巡った後の感想だが、伊江島は予想以上に広いし、ゆるやかだがアップダウンもあるので、体力に自信のない人は、内燃機関を持つ乗り物を利用した方がよさそうだ。

私はそのままバイクにまたがり、島を時計と逆方向に巡ることにした。ターミナルから島の中心街を目指し、途中のコンビニで500mlのお茶を購入し、225号線を東に進んでいく。


225号線

最初の目的地は伊江ビーチ。青少年旅行村を目指せば、隣接するビーチにもつける算段だ。

沖縄らしい白い砂浜が遠浅の海が広がり、シャワーなどの施設もあるが、清掃管理費という名目で100円必要。当日は5月初旬ということもあり泳いでいる人はいなかったが、基本的には通年利用できるらしい。
また、青少年旅行村では、キャンプもできる施設があり、使用料300円に、大人一人100円、子供50円となっている。

伊江ビーチを過ぎると、道の途中に大きな風車が視界に入る。風車といってもオランダにあるようなレトロ感満載のものではなく、風力発電用のローターと呼ばれるものだ。それが、緑の丘の上に、なんだか巨大ロボットのようないでたちで2基ほど並んでいる。


それを横目に見ながら、次の目的地であるリリーフィールド公園を目指す。
リリーフィールド公園では、ゴールデンウィークの期間に「ゆり祭り」というのを実施している。特に遊戯があるわけではなく、ただの公園なのだが、遊歩道の両サイドにある芝生には、ガイドブックによると20万株のテッポウユリが植えられており、ゆり祭りの際に、それらが咲き乱れる。私が行ったときは少し時期が遅かったようだが、それでも花はかなり残っていて、白だけはなく、色んな色のユリが絨毯のように咲いていた。公園は島の北側にあり、柵の向こうは青い海だ。露店もいくつか出ていて、観光客で賑わっていた。


リリーフィールド公園


奥までずっとユリ・ユリ・ユリ。。。


白だけじゃない


公園の敷地の外も、海の際までユリづくし


次に向かったのは湧出(ワジー)と呼ばれる、高さ60mの断崖絶壁だ。ここは海中に真水が文字通り湧き出している場所らしく、島の水源地だったそうだ。現在では島の上水は本島から引いて来た水を使用しているそうだが、真水は今でも湧き出していて、利用もできるらしい。絶景といわれるポイントだということなのだが、確かに絶景だ。というより絶壁。昔の島民は、この断崖を昇り降りして水を汲んだというのだから、頭が下がる。

 

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